今日は『耐震性能の劣化』についてお話しますね
はい。でもそもそも耐震性能って、劣化するんですか…?コワイ
気になりますよね。まずは実験の写真を見てください
なんか、すごいですね。揺らすやつですか。
そうです。ただ、これは3次元で揺らせる実験装置です。縦揺れも加えられるので縦横に効く実証ができています。結構ほかのメーカーさんの場合横揺れ一辺倒の実験が多いんですよ
へぇ。そこまで気にして見たことなかったです。なんせ揺らす実験ってインパクトが凄いので…
まずはじめに、実際にevoltzをつけた状態で揺らしたところ、特に躯体に損傷は見られないという実験結果でした。
おお、ダンパーが効いたんですね
で、ここからevoltzを外した状態で揺らしました。すると合板部分に大きな違いがみられたんです
これ、こんな感じでクギが浮いちゃってるんですね。で、合板も浮いてるんですね。
あら、クギが外れたんですかね?
いや、実はこれクギが浮いたわけではなくて、柱と壁がハサミのような役割をしてクギが切れてしまうという現象が起こってるんです
おー!グギが切れてる。スポっと抜けちゃいましたね。ちょっとギロチンを想像しちゃいました…
クギが切れたことによって合板が合板の意味をなさなくなって、家が揺れやすくなったり壊れやすくなるんです
なるほど、「合板₌耐震のためのもの」ですもんね。耐震性能の劣化とはそういうことなんですね
ではもうひとつ、別な施設での実験映像をご覧ください。こちらも耐震性が劣化してしまうことが立証された実験です
今度は横揺れ一辺倒の揺れを与えて、この合板がどうなるか、ダンパーがどう効くかの実験でした
なるほど
で、裏話なんですけど、後日メーカーが廃材処理しているときに『あれ、これは面白いな』と思って持ち帰った部材があるんですよ
合板です。evoltzがあるないで大きな違いが出たというものです
おー、すごいですね~
で、もうひとつが柱です。これを持ち帰ったんですけど
やっぱりこれを見ると、このあと大きな同じ地震がきたらやっぱり揺れやすいのって右側だなってことがすぐ分かりますよね。
ですね!
損傷から守られたという証として、この柱はevoltzの会社に飾られています
わかりやすいですね!
そして、このような実験結果をいろいろ見てこんなことを言われた方がいます
はい…
「このevoltzは『耐震性能を守り続ける制振装置』ですね」と
なるほど
それを仰った方が、佐藤実先生です。この方をご存知ですか?
え…分からないです
佐藤実先生は『構造塾』を開催されている塾長の方です。全国で構造に関してのセミナーを年に5回ほど開催しています
へ~
佐藤先生は数年前まで「制振装置はオマケみたいなものだ」という考え方をされていたんですよ
あら、そうだったんですね…
ただ、「制振ダンパーに敢えて理想的な形があるとすれば、小さい揺れの段階で効いて、共振に効いて、壁倍率を持たないダンパーだけど、そんな無敵なダンパーはないよね」というお話をされていたんです
あれ、なんかこれまで習ってきた流れと似てる…?
そう!たまたま構造塾にevoltzのスタッフが参加していて、「先生!うちのダンパーはその基準を満たしています」という話をしたら、資料や動画を見て「これはすごいダンパーだ」と。佐藤実先生はevoltzを推してくれていて、今では技術顧問になっています
なんか、すごいエピソードですね
そのあたりを説明しているyoutubeがあるので、良かったら見てみてください
さあ、ここまで数回に分けて制振についての基本をお伝えしましたが、いかがでしたか?
数ある制振の種類や、どんなときに建物が揺れるかなどがよく理解できました!
次回からいよいよevoltzについてお話します
楽しみにしてます!
次の話はこちら→【第7回】1万4590回の余震