制振ダンパーの種類は世の中に30種類ぐらいあります。
そんなにあるんですね!
それらを大きく分けると4つに分かれます。
へ~。
「摩擦系」のダンパーと「金属疲労系」のダンパーと「ゴム系」のダンパーと「油圧系」のダンパーです。evoltzは油圧系のダンパーになります。
ではどう違うのかという話になります。
摩擦系のダンパーは、摩擦の装置が付いてるんです。
簡単にいうと摩擦の力で擦れることで、揺れを熱エネルギーに変えるというものです。比較的小さな揺れから効くのですが、家が揺れたときに傾いたところで地震が止まると、その状態をキープしようとしてしまうところがあります。
元に戻らず摩擦によって傾いた状態で固めてしまうというところです。また、摩擦が繰り返されるとスレて劣化することで性能が数値的にも劣化していく傾向があります。
へ~。そうなんですね。
次ですね、金属疲労系のダンパーですが、金属がウネウネウネと曲がることによって熱エネルギ―に変えるというものなんですね。良いところとしては、比較的大きな揺れに対して大きな力が発揮されます。悪いところとしては、文字通り金属疲労なのでウネウネウネというのが針金をウネウネするとプチっと切れますよね。
あーそうですね!
有限回数でダメになってしまう可能性があるんです。ちなみにですね、ある金属疲労系のダンパーを実験した大学教諭によると、とある揺れの周期を与えたところ30往復で切れてしまったという実験結果も出てしまっています。
30往復!
そこは一つの弱点になっているかと思います。
evoltzは100万回の作動耐久試験の結果、初期とほぼ変わらない減衰力が発揮されていることを確認していますのでご安心ください。
ところで、熱エネルギーってあまり聞きなれない言葉ですね
摩擦はこすれると熱が生まれますよね。針金ウネウネしても熱くなります。オイルも動くことによってオイルが熱くなるんです。ゴムも動いてるとゴムが熱くなります。全部揺れというエネルギーを熱に変えて揺れを抑えるんです。
科学の話ですね。
3番目のゴム系のダンパーは大体むき出しになっているんですよ。
ゴムの性質として空気に触れると劣化しますし、湿気にも弱いですし、油で溶けてしまいますので、劣化は免れないはずだと考えられています。
どこのメーカーさんも80年や100年持つと言っていますので信じるしかないですが、壁の中の温度によってダンパーの性能が劣化してしまうと考えられます。ゴムのダンパーは熱によって性能が変わります。熱いほど、ゴムが柔らかくなって効かなくなるんですよ。なので、寒い所だとゴムのダンパーは比較的効くと思うんですが、暑い日に地震がきたらほとんど効かなくなります。
それは興味深いですね。
evoltzは-20~80℃まで性能が変わりません。
すごいですね!
前回お話しました「共振」ですが、ゴム系のダンパーがどうなるかというと、ゴム自体が固有周期をもっているので、地震の周期とゴムの周期が一致してしまうと、ゴムが暴れ出してダンパーも暴れ出してしまうんです。そうなってしまうと家が破壊されるということに繋がってしまいます。
えーっ!!!!
で、evoltzというダンパーは実はこれ自体が固有周期を持たない構造になってるんです。
これはオイルダンパー特有の性能ではあるんですけど、evoltzは特にこの共振が抑えられる設計になっているんです。
それはすごいですね!
ちなみに、実験で建物を作ってゆーっくりな揺れからスタートして徐々にこの揺れを早くしていったんです。
そうするとこの躯体はとある周期のときにものすごく揺れるところが出たんですよ。
要はこれが揺れやすい「共振点」なんですよ。グラフで見ると、いきなり揺れたところにピンと山が出来る感じです。
じゃあこの躯体にevoltzを取り付けた状態で同じように揺らしたらどうなったかというと、さっき山がピンと跳ねたところをちょっと越えたところでピクッと反応したんです。揺れがイッキに大きくなるタイミングを完全に外したうえにそこを小さくして抑えられているんです。
油圧系ダンパー、すごいですね。
かといって同じ油圧系のオイルダンパーでも共振を抑えられないものもあるので、一概にすべてのオイルダンパーが効くとも言えないです。
へ~。
前回の最後に触れましたが、世に存在する制振ダンパーの9割以上は共振を抑えられません。そして、油圧系ダンパーの中でもevoltzは共振にも効果があるということをぜひ抑えておいてください。
ありがとうございました。
以上、堅くするだけの「耐震」だけでは防げない3つのことの2つ目、「共振」についてのまとめでした。
次回は3つ目、「耐震性能の劣化」にどう備えるかのお話です。
耐震性能って、、劣化するんですか…
<まとめ>
・制振ダンパーには大きく4つの種類がある
・それぞれメリット、デメリットがある
<制振ダンパーを比較するときのポイント>・熱に強いか
・有限回数でダメにならないか
・共振に対応できるか