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あいホーム加美店・喜多ブログ『視聴覚室』
七草がゆのビートのサムネイル
店長(加美店)
喜多 亮平
視聴覚室

(※累計287記事)

七草がゆのビート

餅つき機の「ガッポガッポ」という機械音には情緒があり、お正月らしさを感じさせますよね。





1月7日になると、ふと「あれ、七草のリズムって五七五調じゃないかな」と思うことがあります。「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ」。声に出してみると、不思議と心地よい響きです。これは日本人の心に刻まれたリズム、日本のアイデンティティそのもののような気がします。





子供のころ、1月7日には毎年母が「七草がゆ」を作ってくれました。七草がゆの準備が始まると、台所から「なーなーくさナントカカントカ」とリズムに乗せて包丁がまな板を叩く音が聞こえてきます。






その風景で特に印象に残っているのは、母が七草を刻むときの姿です。まな板の上で刻む音に合わせて、母が何やら呪文のような言葉を唱えるのですが、意味はまったく分からないのに、不思議と耳に残る。その独特なリズムと音色が、今でも記憶に焼き付いています。






気になって母に尋ねると、「私もね、ばあちゃんがやっていたのを見て覚えたのよ」と教えてくれました。ヤフーで調べたところ、このように呪文を唱えながら刻むのは、邪気払いの風習だそうで、江戸時代から伝わるものらしいのです。





だから、我が家の1月7日の朝といえば、母が呪文を唱えながらトントン刻む光景。それは、正月が終わる合図であり、新しい年の始まりを感じさせる特別な瞬間でした。今思うと。




今日は私も七草がゆを作ろうと思います。実は、私、おかゆを作るのがちょっとした特技なんです。ねっとり艶やかなやつ。






スーパーで買った七草セットをまな板に並べ、母の真似をしてトントン刻みながら呪文を唱えてみるのもいいかもしれません。リズムに乗って適当な呪文を唱えると、懐かしさが込み上げ、正月の名残を味わいながら新しい気持ちで一年を始められそうです。






七草がゆには、正月の最後を飾るような、どこか寂しさが漂います。それでも、その寂しさと新しい一年への期待が同居するからこそ、特別な意味を感じるのかもしれません。






それでは、みなさんも素敵な1月7日と素敵な2025年をお過ごしください。






刻んでいるところ。この後塩ゆでする。
一番の肝。火加減がめっちゃ重要。
できたよ!